NAMAKEMONO COFFEE&TEA

2026/11/01 14:20

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「苦い」「重たい」「なんだかおいしくない」。そう感じたときに店主がまず試すのが、お湯で少し薄めることです。これだけで、だいたいのコーヒーはおいしくなります。理由は、多くの場合コーヒーが濃すぎるからです。

「濃さ」と「抽出しすぎ」はちがう

コーヒーの味は、大きく2つの数字で考えられます。

  • 濃度(TDS):できあがったコーヒーの中に、コーヒーの成分が何%溶けているか。いわば「濃さ」です。
  • 抽出率(収率):使った豆の成分のうち、何%をお湯に引き出したか。多すぎると「過抽出」で苦みや渋みが出やすく、少なすぎると「未抽出」で酸っぱく薄い味になりやすいとされています。

スペシャルティコーヒー協会(SCA)の「ゴールデンカップ」の基準では、ドリップコーヒーのおいしい範囲を濃度1.15〜1.35%、抽出率18〜22%としています。

お湯で薄めるとおいしくなる理由

お湯を足すと、濃度(TDS)は下がりますが、抽出率は変わりません。つまり、濃すぎて苦い・重たいコーヒーは、お湯で薄めるだけで「ちょうどいい濃さ」に近づきます。店主の経験では、おいしくないと感じる原因はこのパターンがいちばん多いです。

一方、抽出しすぎ(過抽出)による苦みや渋みは、薄めればやわらぎますが、味のバランス自体は変わりません。その場合は、次に淹れるときに挽き目を少し粗くする、お湯の温度を少し下げる、といった調整が必要です。

どれくらい薄めればいい?

まずは10〜20gずつお湯を足して、味見をくり返すのがかんたんです。濃度計があれば計算もできます。

例:できあがり180gで濃度1.60%のコーヒーを、1.35%にしたい場合
180g × 1.60 ÷ 1.35 = 約213g → 約33gのお湯を足す

濃度を測る道具「TDS濃度計」

TDS濃度計(屈折計)は、コーヒーを数滴たらすだけで濃度を測れる道具です。光がコーヒーを通るときの曲がり方から、溶けている成分の量を計算しています。濃度がわかれば、抽出率も計算できます。

抽出率(%)= 濃度(%)× できあがりの量(g)÷ 豆の量(g)
例:濃度1.30% × 200g ÷ 13g = 20%

「なんとなくおいしくない」が数字でわかるので、レシピを直すときの近道になります。

店主がいつも使っているもの:VST社の濃度計

店主が毎日の確認に使っているのは、アメリカのVST社の濃度計です。コーヒーの濃度測定の定番として、多くのロースターやバリスタに使われています。

現行モデルの「VST LAB Coffee III」は、メーカーの資料によると、測定範囲0〜20%、精度は±0.03%(濃度0〜4.99%のとき)、0.3mlのサンプルで通常2秒以内に測定できます。製造はアメリカです。

VSTより手に入れやすい濃度計として、次の2つもあります。

本格派なら:DiFluid R2 Extract

測定範囲0〜30%、精度±0.03%、約4秒で測れるTDS計です。スマートフォンのアプリ「CoffeeOS」と連携して、記録を残せます。楽天市場では4万円台からです。

▶ コーヒーTDS濃度計 R2 Extract(楽天市場)

手ごろに始めるなら:BrewFox コーヒー濃度計

楽天市場で1万円台前半のTDS計です。抽出率の計算、温度補償、流水で洗える防水設計(IP65)に対応し、校正液と1年保証が付いています。

▶ BrewFox コーヒー濃度計 TDSメーター(楽天市場)

まとめ

  • おいしくないと感じたら、まずお湯で10〜20gずつ薄めてみる
  • 多くの場合、原因は「濃すぎ」。薄めれば改善する
  • 苦み・渋みが残るなら過抽出。次は挽き目を粗く、温度を少し下げる
  • TDS濃度計があれば、濃さと抽出率を数字で確かめられる

当店の基本のレシピは、こちらの記事にまとめています。
▶ 浅煎りコーヒーのおいしい淹れ方|ハンドドリップの基本レシピ

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出典